2009年9月 はじめての長良川鵜飼! その2
(日本三大仏の岐阜大仏!そしていよいよ鵜飼スタート!)

予想通りキッズたちは高いところ大好き?眺望は素晴らしいのですが、岐阜タウン・・・・残念ながら目立つランドマークがない。特に県外の人間にとっては土地勘もないため、長良川以外どうもピンとこないのが悲しい。駅前には岐阜初の高層ビルの岐阜シティタワー43(高さ163m)があるが、それも知名度は低く仕事で岐阜に行っているパパだから知っているって感じ?

そんな中、見つけました鵜飼舟!長良橋の袂に列んで止まっているエンジ色の鵜飼舟たち。あの長良橋が鵜飼舟の発着場所なのだ。あそこから上流、つまり右方面へ舟が出て鵜飼観覧となるのだ。う〜ん、夜が楽しみだ。有料の望遠鏡を「見た〜い!」と恒例のリクエストを無視して下階へ。あぁ〜危ない危ない。

難攻不落と言われた岐阜城!流石、天下に轟く山城ですね。眺望は素晴らしかったです。確かにこの金華山は崖で囲まれており、急斜面続き。ドライブウェイ等で上がってくることもできず、現在もロープウェイか山道を地道に上がってくるしかない。でも、この険しい山道を、信長はじめ羽柴秀吉、前田利家、明智光秀等々名だたる名武将達が汗拭いながら上がっていったのでしょうねぇ〜。おいおい、良太くん何でそんな危なっかしいところに上がるんだ。ホント○鹿は高いところが好きだねぇ。危ないぞー!

天守閣から少し下がったところに岐阜資料館があり、入場料は天守閣入場とセットとなっているので入ってみる事に。ここは隅櫓城郭造りに武器庫や食料庫を復元しているとのことだ。とは言え、中にはまた武器や食器等で一杯。片隅にはさざれ石が・・・。皆さん「さざれ石」ご存知でしたか?「さざれ石の巌となりて」とあの君が代に出てくる「さざれ石(細石)」です。石灰岩が雨水で溶解し、石灰質の作用により、小石がコンクリート状に凝結して固まってできる石の塊のことをさざれ石と呼ぶらしい。実は君が代の由来となったさざれ石は岐阜県揖斐川町にあり、岐阜県の天然記念物になっているんだそうです。知りませんでした。これにてロープウェイ駅まで下山。途中、秀吉の馬印でもある「千成ひょうたん」発祥の地もありました。

上りより下りは楽で安心。帰りのロープウェイも満員。真優ちゃんはちゃっかり大人の足下をくぐり抜け最前列をゲット。中々抜け目ない。岐阜市はたかだか40万人都市だ。そんな岐阜から天下統一の野望を果たそうとしたのだからすごいものだ。信長は愛知から岐阜へ移った訳だから、少しでも京へ近く、難攻不落の城と言うのは魅力だったんでしょうねぇ。

ロープウェイを降りて岐阜公園散策。ここも予想外に見所は多い。まずは、大河ドラマ「功名が辻」でお馴染みの山内一豊と千代の婚礼の地へ。ここであの2人は結ばれたんですね。まだ下級武士の1人であった一豊の城持ち大名への道が始まるんですね。この碑にも伴侶の鑑の千代と詠われています。大した女性だったんでしょうね。続いて、往年の姿を再現した信長居住館跡前へ。往きに上空から眺めた発掘現場の入り口ですね。そして、板垣退助遭難地の碑の前へ。明治15年(1882年)4月、岐阜で遊説中に暴漢に襲われ負傷した板垣が、流血したまま立ち上がりあの名台詞「板垣死すとも自由は死せず」をうたった場所なんだそうです。

馴染みの薄い岐阜タウンですが、こう見てくると信長、道三はじめとする名だたる戦国武将たちの名残など見所が色々あって見直しました。金華山の麓にもう1つ忘れてはいけないスポットがある。ロープウェイ駅から徒歩5分くらいだろうか、日本三大仏の1つ「岐阜大仏」があるのだ!岐阜大仏をご存知だろうか?正法寺お大仏殿には日本最大の乾漆仏でもある岐阜大仏が鎮座する。確かに像高13.7mとでかく、奈良、鎌倉に負けない尊しさがある。

周囲1.8mのイチョウを真柱として、木材で骨格を組み、竹材を編んで仏像の形を形成する。その上に粘土をぬり、一切経、阿弥陀経、法華経、観音経等の経典が書かれた美濃和紙を張り付けて漆を施し、さらに金箔を施してつくられている。経典は当時の住職が読み一枚一枚貼られている。この事から、別名を「籠大仏(かごだいぶつ)」というらしい。全身が金箔で覆われ、穏やかな顔とあいまって独特の雰囲気があって良いものだ。この大仏の製作に一般的な銅ではなく竹を使用しているのも、岐阜提灯や岐阜和傘など岐阜の文化が関係しているのでは?とのことだ。なるほど、Made in GIFUの大仏なんですね。

でも、実に岐阜らしいのが、三大仏はあくまでも自称とのことで、現在ここ岐阜と高岡が3番目と自称しているらしい。他にも兵庫大仏、東京大仏、牛久大仏などライバルは多い。それでも仏で競ってはいけないという考えからどこも名乗らない中、岐阜は自称で3番目を名乗るというのは、いかにも岐阜っぽくて面白い。岐阜の人に怒られちゃうかな?でも全国には予想に反して数多くの大仏があるそうで、その中でも全身金箔の岐阜大仏は3番目かどうかは別にして、一見の価値はあるように思います。ちなみに大仏とは「丈六(1丈6尺=約4.85m)以上の大きな仏像」と定義されているとのことですが、1.8mの鎌ヶ谷大仏はじめ何でもあり状態のようです。
岐阜大仏を後にし、これにて岐阜タウン散策終了。すでに時間は17時過ぎ、岐阜の町は少しづつ日暮れが近づいてきました。いよいよ待ちに待った鵜飼の時間が近づいてきました。まずは、長良川沿いを歩いて、長良橋たもとの鵜飼のりばへ。シルバーウィークの最終日と言えどもすごい数の人で賑わっています。まずは、予約しておいた乗船券を受け取りにいきます。その間、キッズたちは観光地恒例の記念撮影スポットにて鵜匠へ変身!ホント好きだねぇ〜。

鵜飼は全国約13ヶ所で見られるということで(そのうち岐阜と京都が各々2ヶ所ある)、その中でも岐阜、愛知、京都、愛媛がよく知られている。東は山梨から西は九州までとなっており、以前いた九州の大分県日田や福岡県朝倉でも規模はかなり小さいが、九州の夏の風物詩として愛されていた。残念ながら日田や朝倉の鵜飼には行けずじまいであったが、やはり鵜飼と言えばここ長良川と言っても過言ではないだろう!岐阜が全国にほこる伝統イベントだ。

長良川の鵜飼は19時半からスタート。でも実際に鵜飼船は船上で食事をとるため18時15、45分、19時15分と3つの出発設定がある。この違いはどれだけ船の上で食事(もしくは宴会)の時間をとりたいか?でかわってくる。我々は18時45分スタート。鵜飼乗り場の川灯台の下には、ザ・ベストテンの記念碑が?何だろうと覗き込むとなるほど、五木ひろしの「長良川艶歌」がTBS「ザ・ベストテン」で「12年間ベストテン第1位」を獲得した時の記念碑があり歌詞が彫ってある。へぇ〜なるほど岐阜の歌と言えば、美川憲一の「柳ケ瀬ブルース」もあるけどやっぱり長良川艶歌ですよねぇ〜。少し早いけど船着き場に来たのには訳がある。鵜匠らによる鵜飼の説明会があるのだ。

その前に、今日は記念すべき今年10万人目の乗船客となるということで、その方に岐阜市長より記念品とプレゼントがあるとか・・・・。すごい数の人がいるけど、当たるのでは?と実はかなりドキドキモードで発表を待つ・・・残念。はずれ。もう1つチャンスが、今度は10万1人目の発表だ。再びドキドキ・・・・やはり甘くはない。これもはずれ。あぁ〜残念。それでは静かに鵜匠さんのお話を聞こう。岐阜の鵜飼は全国唯一の宮内庁直轄、つまり天皇御用達の御料鵜飼。よって鵜匠も全て「宮内庁式部職鵜匠」という格式ある職名をもっているのだ。当然ながら御料鵜飼で漁られた天然鮎は皇居へ献上される。更に明治神宮や伊勢神宮にも献上されるというからその格式の高さは別格だ。

キッズたちの注目の的の鵜ちゃん登場!鵜匠にかなり手荒く扱われている鵜・・・皆の眼の前で喉元に紐をくくられセット完了。喉の奥には鮎を12匹ほどまで蓄えられるのだそうだ。お腹ペコペコでガツガツ鮎を口にするが、飲み込もうにも飲み込めない。う〜ん、なんて可哀想なんだ。それでも1匹ほどはちゃんと飲めるよう紐を調節しているようです。じゃないとやる気なくなるもんね。歴史や服装、鵜のことの説明を受けていざっ鵜飼へ。ちなみに鵜飼の鵜は川鵜ではなく海鵜なんだそうです。ひと回り大きいからね。数年前に家族旅行で行った茨城県の日立の海からやってきて、鵜匠と寝起きを共にし鍛えられるだそうだ。

さぁ〜て、あとは鵜飼船の出発時間待ちだ。18時15分発の第1陣が川上に向っていきました。我々はしばし川原町散策へ。戦禍から逃れたここ川原町は格子戸の家がならんでいて、たいへん趣きある町並みだ。本当はもう少し早い時間に来て、1時間ほどのんびり散策したかったのだけど、少々巻きが入った状態。まずは、岐阜団扇の店「住井冨次郎商店」へ。美濃和紙と良質の真竹を材料に、柿渋を塗って仕上げる「岐阜渋うちわ」を専業に作っているのは、今はここだけとのこと。そして有名な「水団扇」もここでつくられている。水団扇は風流ですごく良い。我が家も今夏実家へのプレゼントで購入していきました。今回は喉から手が出る程欲しかったのですが金欠のため我慢。そしてそのお隣が岐阜銘菓の「やき鮎、登り鮎」で有名な「玉井屋」もちろん登り鮎をゲット。鵜飼のデザートにしよう!他にも川原町屋はじめ情緒たっぷりの川原町散策は意外に楽しい。次回またゆっくり来る事にしよう・・・残念。

川原町はすでに陽が沈み真っ暗に。いよいよ鵜飼船の出発時間だ。その前に予約しておいた仕出し弁当を受け取り。鵜飼乗船場まで配達してくれるのは有り難い。長良川鵜飼は全国的な観光イベントでもあるため、色々なサービスが用意されている。乗船だけならば大人3300円/小人2900円(平日は3000円/2600円)。宿が用意している懐石料理付きの日帰り鵜飼パックなどは1人1万円をゆうに超える。その分、鮎の塩焼き専用船が横について焼いてくれたり、立派な天然鮎のフルコースを出してくれたり(天然ものフルコースは滅茶苦茶高い!驚く程)と、とりあえず財布の中身に余裕があれば、ご希望のスタイルで鵜飼を満喫できるはずだ。

こういうイベント時には、かなり贅沢派の我が家も、前日急遽鵜飼観覧決定したため、仕出し弁当予約するのが精一杯。残念だが鮎の塩焼きの入った食事だけは外せなかったので、とりあえず良しとしよう。流石に当日にジタバタしても無理なものは無理だ。仕出し弁当でさえ当日予約はたいへんだったのだ。岐阜市鵜飼観覧船事務所に連絡し、当日の仕出し弁当可能な先を教えてもらうと、「川勝」と「川光」の2件を教えてもらった。どちらも大差ないということで今回は「川勝」へ予約。18時45分発の鵜飼に対して17時調理してくれ18時頃から乗船場前で待っていてくれたようだ。正直目立ってすごい弁当とは言えないが(う〜ん、もう少し箱や包みとか凝ってくれると雰囲気違うんですがねぇ〜)、至って平凡な幕の内弁当と言っても良いのだが、鵜飼気分を高める意味でも必須なのが鮎の塩焼き。やはりこれだれは外せない。ママ&良太くんは2000円の弁当、パパはちょっと贅沢に鮎田楽が追加された2500円の弁当。定刻に鵜飼船出発しました。ワクワク!


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いよいよ1300年の歴史を誇る幻想的な鵜飼を初観覧!

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