2008年7月 水晶浜海水浴と加賀温泉郷旅行! その4
(ろくろの里で木地挽きろくろ挑戦!そして山代温泉も立ちより!)


見よ!この真剣な眼差し。山中漆器で有名な「木地挽きろくろ体験」に挑戦!

あやとり橋から少し離れて、もう1つの山中温泉のシンボルとも言える「こおろぎ橋」へ。江戸時代の元禄から架かると言われているこおろぎ橋。鶴仙渓、山中温泉街の古くからのこれぞシンボルだ。近代的なあやとり橋とは対照的な橋だが、鶴仙渓の景観との調和は申し分ない。橋の周辺は全てもみじ。こりゃ秋の紅葉シーズンは真っ赤に燃えて素晴らしいことになっているだろう。これ考えると山中温泉のベストシーズンは秋だね。秋のこおろぎ橋は一見の価値がある。こりゃ素晴らしいこと間違いなしだ。TVドラマはるちゃんでは、翠明から飛び出すとすぐにこの「こおろぎ橋」があるように感じたが、翠明とこおろぎ橋は山中温泉の左右端に位置しており、ちょっと歩いた程度ではたどり着けない。流石TVかなりの編集が入っているんですね。

こおろぎ橋の周辺にも人気宿がいっぱい軒を連ねる。こおろぎ橋の木陰は気持ちよかったが、一歩出ると頭がクラクラするような日射し。昨日は36℃、今日も同じくらいまで上がってきているようだ。あぁ〜暑い。ここで一気に山の方まで車で走って「ろくろの里へ」。

ろくろの里では、木地挽きろくろ体験ができるのだ。実は良太兄ちゃんがこのろくろ挽き体験にチャレンジしたくて大ハッスル中。ところが、丁度ランチタイムということもあり、腹が減っては戦もできぬ・・・ということで先に昼食をとることに。ろくろの里にある「蕎麦屋 山ぼうし」がろくろ体験の受付もかねていることもあり、そのまま山ぼうしにて美味しい蕎麦を頂くことに決定。こういう暑い日は蕎麦にかぎる。お隣の福井県は越前おろし蕎麦で有名だが、こちらでも蕎麦は美味しく人気だ。古い民家を改造した店内の雰囲気は良い。もちろん蕎麦もすごく美味しかった。加えてここのおばちゃんたちが良い人たちで、おまけで蕎麦かりんとを頂きました。良いお土産になりました。おばちゃん有り難う!

さぁ〜て、いよいよ山ぼうしのお隣の「木彩館けやき」で良太くん希望の木地挽きろくろ体験スタート。ここ山中漆器の古里とも言えるろくろの里周辺には、多くの職人さん方が暮らしており、今回もいろいろアドバイスしてくれるのだ。皆さん、山中漆器をご存知だろうか?石川県と言えば「九谷焼」だけでなく「山中漆器」も有名だ。白木地を鉋と呼ばれる特殊な刃物で回転させながらくりぬくろくろ挽きが特長で、主に椀銘々皿、茶托などの丸物の製造を得意としているのだそうだ。特に棗などの茶道具の木地は全国の8割から9割を山中で挽いているとのこと。そんな山中漆器の自分だけのOnly椀(ワン)が欲しいと良太くんの大挑戦スタート!

まずは、職人のお兄さんにいろいろレクチャー受けて、緊張の木地挽き(ろくろ挽き)開始。実は5年生の良太くん残念ながら足がろくろのフットスイッチに届かず、ママに代役依頼。良太くんの指示でママがろくろの足踏みスイッチ踏んで回転開始。緊張の最初の1削りが入り、良太くんの眼がものすごい真剣モードへ。
職人先生のアドバイスをしっかりと聞いて、順調に木地挽きすすんでいきます。自分の理想のお椀を頭に思い浮かべながら、どのくらいのカーブで削っていったら良いか?一生懸命想像しながら生地挽き進行。この削り方で持ちやすさや椀の容量等が決まってくるからたいへんな作業だ。これだっというところでストップ。続いて丁寧にヤスリをかけていきます。山中漆器は挽き方により残る独特な縞模様が命で、この雰囲気が作品の個性として生きてくる。だからこのヤスリをかけすぎると縞模様が消えてしまい、あまりかけないとボコボコになってしまって難しいところと言える。良太くんまずは第1段階完成。

難しいのはここからだ。いよいよここから、椀の中の削り出しに取りかかる。職人先生からのアドバイスは、とにかく自分の作品の形を覚えること。つまり、中を削り出す際に、お椀自体の形状は見れないのだ。ガバッと大きな型にはめ込んで回転させるため、自分のお椀の曲線等覚えておかないと、あっけなく穴をあけてしまうことになるらしい。そして、この削り出しをいかに上手く成功させるかで、口に当たる椀の厚さが決まるため、お椀そのもののたいへん重要なファクターとなるらしい。そういわれると増々緊張していく良太くん・・・大丈夫かな?木粉が舞う中必至にがんばる良太くん!がんばれ!

一生懸命ろくろまわして木地挽きに取りかかり約1時間・・・「よぉ〜し、これで完成」と良太くんフィニッシュ宣言。職人先生から「これでホントに良い?はずしちゃったらもう直せないよ」と質問されると、やや心配げな顔になるも再度ぐるっとまわして確認すると・・.力強く「OK!」と完成の合図。ドキドキの取り外しです。お椀の厚みの具合がどうかでこの作品の評価が大きくかわってくる・・・先生が良太作品を細かくチェックしていく。注目の評価は「うん、よく削り込んでいる。良い出来ですね。」と嬉しいお褒めの言葉。職人先生曰く、木地挽きは慣れが必要で、見ている以上に難しいんですよとのこと。先生からの合格コメントにご機嫌の良太くん!最高のお土産になったとご満悦です。確かに自分で使ったお椀なんて最高の思い出&お土産になりますよね。 ONLY椀で美味しい味噌汁頂くって最高ですよ。実際にはこの後丁寧に漆塗りの仕上げを施してくれてから自宅に郵送してくれます。約1ヶ月後が待ち遠しいですね。

良太くんの木地挽き体験にママも刺激を受けたのか?山中温泉のゆげ街道に戻って、山中漆器物色散策へ。パパ&キッズたちはママの買い物モードには着いていけず、車の中でお留守番。今や山中漆器にもいろいろあって、どれもよく見えて中々これだっという作品に出会えるものではない。そんな中、予想よりも早くママが車に駆けてくる。「いいものが見つかったから見てみて!」とかなりのハイテンション。ママのお眼にかかったのはこの朱色のスマートなお椀。1つ1つこれぞ木地挽きという感じで、どれもちょとづつ趣が違う逸品。ママ良かったねぇ〜。これで山中温泉を後にし、お隣のこれまた有名な「山代温泉」へ。帰路につく前に、山代温泉総湯の「浴殿」に立ち寄りさっぱりしてから帰ろうと思っていたのに・・・なんと本日は午後休業。がっかり・・・。せっかく立ち寄ったのに!
山代温泉浴殿は山代温泉発祥の地であり、地元の温泉として県内外問わず人気の温泉だったのに残念。諦めがつかず、山代温泉の旅館で日帰り入浴可能先を電話でいろいろ確認。人気宿の「瑠璃光」等15時以降は日帰り入浴不可の先や、元々日帰り駄目なところ、日帰り可でも大浴場しか駄目なところと各宿によって対応は様々だ。でもどうもしっくり来るところがない。そんな中連絡ついたのが「彩華の宿 多々見」。宿は古くて決して良くはないのだが貸切露天風呂と料理が売りの宿とのこと。快く日帰り入浴もOKとのこと。ここに決定。予約制になっていて16時予約。まだ1時間ほど時間があるので、山代温泉散策へ!山代温泉と言えば、有名な九谷焼だ。早速、「九谷焼窯跡展示館」へ。
九谷焼発祥の地の加賀市。江戸時代前期、加賀百万石前田家の支藩大聖寺藩によって山中温泉のもっと山奥の九谷で、現在世界的名陶といわれる“古九谷”が始まったことはよく知られている。しかし40年あまりで廃絶し、以後約100年間日本での磁器生産は、九州伊万里焼の独占産業になったとのことです。江戸後期になり、瀬戸で磁器生産が成功したことにより、全国で磁器生産が始まり、加賀でも春日山焼や若杉焼がはじまりました。若杉焼で磁器生産に成功したことを受け、かつて古九谷を生み出した大聖寺藩でも、もう一度あのすばらしい古九谷のような磁器を復活しようという動きが興り、大聖寺の豪商吉田屋伝右衛門が中心となり文政六年(1823)自らの私財と、借金をしてまで、九谷村の古九谷窯跡の横に登窯を築き、翌年九谷焼を焼き始め見事復活となったのだそうだ。

しかし、2年もたたないうちに山代温泉近くの越中谷に窯を移すことになったそうです。九谷の山は雪深く、交通が不便だったからとのことですが、こうした不便は開窯前からわかっていたはずで、それなのに何故最初に九谷村で開窯したのか?それは焼物の名称は最初に焼かれた場所の地名が付けられるのが一般的だったため、最初から山代で始めたのでは、山代焼になってしまい、決して九谷焼の復活にはならなかったからだというのが定説だそうです。こうした吉田屋伝右衛門の深慮によって九谷焼は復活し、現在まで続いてきたのです。なるほど九谷焼にもいろいろと歴史有りですねぇ〜。

以後、この山代の窯が九谷窯といわれ、明治初年までは、この窯を中心とした旧大聖寺藩領内で作られたもののみが、九谷焼といわれたとのことです。2段上左画像は、昭和15年築造の現存する九谷焼最古の窯。2段上中右画像が数々の名品を焼成した窯跡で、発掘した状態をそのまま保存公開されています。築200年の民家を展示棟として、九谷焼の歴史や製作工程、作品が展示されています。なるほど鮮やかな九谷焼の逸品がならんでいます。九州在住時に佐賀の伊万里、有田、唐津、山口の萩等日本ばかりか世界に誇る陶器の街を訪れたが、ここ九谷焼発祥の山代も訪れることができ、こういった焼き物好きのママは大満足だったようです。ホントは山中漆器だけでなく、九谷焼も持ち帰りたかったようですが・・・すごく高価なので我慢我慢。

山代温泉の中心街の「彩華の宿 多々見」へ到着。早速、山中に続いて名湯山代温泉を堪能しよう!与謝野晶子や北大路魯山人らがこよなく愛した加賀の名湯・・・楽しみだ。噂通りこの宿はフロントはじめ館内は正直綺麗とは言いがたく、安価なビジネスホテルっぽい感じだ。というか比較的山代温泉の宿はどこもイマイチ寂れた雰囲気がある。ガイドブックなんかに掲載されている写真ではどこもものすごく立派な宿のようだが、どうも過剰なPRのように思えてならない。しかし、貸切露天風呂は良い!という噂もその通りで、ちょっとした大浴場よりも全然立派だ。石風呂&檜風呂、サイドには打たせ湯まである。露天と言っても半露天のような感じだが、十二分な広さがあって山代温泉を十分堪能できました。でも、山中に比べて湯がやや熱くて・・・日焼けの背中が痛くて良太兄ちゃん湯船に入れずがっかり。可哀想に・・・。
50分間の貸切風呂でしたがホントのんびりできました。値段も家族で3000円と5人ファミリーとしては割安なのでは?エントランスには足湯があって再びキッズたち足湯堪能。ホント温泉好きなキッズたちだこと。全国に知られる加賀温泉郷はぜひ訪れたい先の1つだったが、今回加賀四湯のうち、山中&山代の湯を一緒に楽しむことができてホント良かったです。片山津&粟津はかなり寂れているとのことだが、それでも行っては見たいものですねぇ。あとは能登の和倉温泉ですよね。あわせてパパママは訪れてすでに10年以上経っているかな?加賀百万石の金沢や輪島はじめとする能登半島周遊等あらためて石川県ゆっくり訪れたいですねぇ〜。すっきりした後は、加賀ICから北陸道を走って名古屋を目指す。途中夕食どうするか?悩んだ結果、関ヶ原ICで降りて、岐阜のかくれた人気スポット「養老焼肉街道」へ!
関ヶ原と大垣の中間に位置する養老町は、養老の滝で全国的にも知られているが、東海エリアでは「焼肉街道」として有名なのだ。安くて美味い!という評判の精肉店直営の焼肉店がずらーと点在する。確かに先日の「丸明」の飛騨牛偽装疑惑で、ここ焼肉街道にも丸明があるため正直泥を塗ってしまったという感は歪めないが、それでも焼肉街道の人気は未だ衰えることはない。数ある焼肉店の中から、やはり1番人気の「やきにく藤太」に決定。平日の18時というのに噂通り長蛇の列。嘘〜この店のこと知らなければ何でこんなに列んでるの?と驚くことだろう。回転早いため、1時間弱で何とか席に着くことができたが土日は想像を絶するはずだ。しかし、噂通り安い。どうだろう普通の店の半額?上カルビや上タン等でも500円ちょっと。飛騨牛等のブランド牛でも1000円オーバーはわずかしかない。こりゃ思いっきり腹一杯食べられる。もちろん良太くん大ハリキリ。正直、本物かな?と疑いの眼をかけてしまうのは申し訳ないが、とりあえずこの金額でこのボリューム。たとえ偽物でも文句ありません。人によっては岐阜で1番美味い焼肉店と言う方いるようだが、それはかなり大袈裟かもしれないが、特に家族連れには近所のチェーン店と比べれば各段に素晴らしい。なるほど納得の店だ。誰もそうだろうが行列さえなければホントお勧めの店と言える。パパも思いっきり酔っぱらって運転をママにバトンタッチ。大垣まで出て名神高速で名古屋まで。水晶浜、山中温泉・・・実に楽しい1泊2日旅行でした。やはり温泉はいいねぇ〜!次はどこに行こう?下呂か?奥飛騨か?和倉か?楽しみは続く。
約1ヶ月弱後、到着致しましたよ!良太くんの「ONLY 椀」!ロクロ挽きで作り上げたあの山中漆器の逸品です。良太くんが丹誠込めて作り上げただけに、冗談抜きにすごく良い出来で驚いた。職人のお兄さんに、ロクロ挽きにより入る独特の縞模様がすごく感じ良いはずですよ!とのことだったが、なるほどその通りだ。「先日買って帰ったプロの職人さんの山中漆器とどちらがいい?」との質問にもちろんこっち!と自分の椀をあげる良太くん。「早くお味噌汁食べたいなぁ〜!すごく美味しいはずだ!」とご機嫌の良太くん!体験できた上に、しっかりと形として残り、今年の夏休みのお土産はすごく良い夏休みの思い出となりました。良かったねぇ〜。

水晶浜海水浴場 http://www.wakasamihama.jp/umi/umi9.html
山中温泉 翠明 http://www.suimei.co.jp/
山中温泉観光協会 http://www.yamanaka-spa.or.jp/
あ〜ば〜ちゃんのオルゴール館 http://www30.tok2.com/home/abachan/#

ろくろの里 http://www.geocities.jp/kaga_yamabousi/
山代温泉観光協会 http://www.yamashiro-spa.or.jp/
九谷焼窯跡展示館 http://www1.kagacable.ne.jp/~kamaato/

山代温泉 彩華の宿 多々見 http://www.saika-tatami.co.jp/index.html

[BACK]

[Next Travel]

[Travel TOP]